古来より豊かな自然に恵まれた日本人にとって、四季折々に変化する花鳥の美しさは最も身近な美の対象として愛され、各時代によって様々な形で巧みに表現され生活に彩りをそえてきました。近代以降においても数多くの日本画たちが、それまでの花鳥画の伝統を継承しつつも、近代感覚あふれる新しい花鳥表現を模索し、画家それぞれの個性豊かな作品を生み出していきました。
本展では、田崎草雲、野口小蘋、渡辺省亭、荒木寛畝、今尾景年といった明治初期に活躍した画家から、下村観山、川合玉堂、小林古径、川端龍子といった日本美術院系の画家たちをはじめ、近現代において独自の花鳥表現を追い求めた日本画家の作品約30件を展観し、花鳥画の魅力をご紹介するものです。