着物人口が減少し続けているなか、今も幅広く親しまれているゆかたを基軸に、日本の藍の衣装と藍染めの魅力を紐解く展覧会です。第1章では、絞り染めや、失われつつある長板中形(ながいたちゅうがた)、籠染め(かごそめ)などの技法を取り上げ、江戸時代のゆかたから、人間国宝の清水幸太郎(1897-1968)などによる作品をご紹介します。続く第2章では、2010年代のゆかたを、現代のドレスコードに合わせたコーディネートで展示するほか、有松絞りや藍染めなどを用いながらも、伝統的な「着物」の形にとらわれずに、新しい感性で作品を発表している作家やファッションブランドをご紹介します。最後の第3章は「本藍」をテーマに、藍の葉を原料とする「すくも」を用い灰汁などで発酵建てする伝統的な工程を経て生み出された染織作品やファッション、デザインプロダクトを、ドキュメンタリー映像とともに展示します。幅広い作家やブランドが手がけた50点を超える作品により、藍のファッションの伝統と現在(いま)をご紹介します。