ある作品と出会った時、過去に見た別の作品に似ていると感じたり、つながりがあると気付いたりした経験はありますか?そんな時、まるで自分の別々の知り合いが実は友だちどうしだったと知った時のような驚きや不思議なうれしさがないでしょうか。本展は、当館の多彩なコレクションのつながりを「10のテーマ」から見ていこうとするものです。例えば、動物園の動物たちを観察し形にしたフランソワ・ポンポンの彫刻とヘンリー・ムーアの版画、童話の世界を繊細な銅版画の線で表したデイヴィッド・ホックニーと南桂子のように、モチーフや表現の観点からつながりを見出すことができます。あるいは、日本のアートについて、アートや国家といった概念的な枠組みについて、また自他の存在と生についてなど、作品が扱う問題意識という観点からも作品を比べて見ることができます。つながりを見出すことは、作品どうしの違いを浮き彫りにすることにもなり、私たちの作品に対する印象と理解は予期せず変化するかもしれません。本展では、当館に新しく収蔵・寄託された現代作家の絵画、版画、立体作品も多数ご紹介します。本展を通して、アートのつながりから生まれる新鮮な感覚をどうぞお楽しみください。