光格天皇以来二百年ぶりといわれる譲位により、30年余り続いた平成の時代が過ぎ去り、昨年5月1日令和時代が幕を開けました。新元号「令和」の典拠は『万葉集』。これを機会に『万葉集』に対する関心が高まっています。
『万葉集』は、古く5世紀から8世紀にかけて詠まれた4500余首を収めたわが国最古の歌集で、日本人の心の古典、言葉の文化遺産といえます。 今から千年以上前の7世紀後半から8世紀後半にかけて編纂され、奈良時代末期頃に成立したと考えられて います。 万葉集の編纂に深くかかわったのが豪族・大伴家持とされており、「令和」の出典でもある万葉集「梅花の歌32首」の作者・旅人は家持の父親です。「令和」は、旅人が太宰府長官を務めていた天平2(730)年正月13日、役人を集めて詠ませた短歌の一節が典拠であるとされて います。
本展は、新見美術館開館30周年を記念した特別展の第3弾として、奈良県立万葉文化館の全面協力のもと開催するもので、万葉のふるさと飛鳥の地に根ざす同館所蔵の万葉歌を題材に描いた秀麗な現代日本画の中から、新見市ゆかりの日本画家を中心に40点を精選し紹介します。
万葉歌から響き合うように生まれた現代日本画の世界を心ゆくまでお楽しみください。