棟方は自らの姓のルーツが九州にあるとし、福岡の宗像大社の祭神が宗像三女神といわれる三人の女神であることから女神崇拝を強めます。記紀においてムナカタは「胸肩」「胸形」「宗形」と表記され、南方の九州から北方の青森に入るまでに「棟方」となったことから、先祖の血の流れに胸のつまる想いがあるとし誇りにしていました。数ある棟方作品の中でも人気を集める女人像は、初期の西洋風の貴婦人から始まり、「裸体(ハダカ)の、マッパダカの顔の額の上に丸い星をつければ、もう立派な佛様になって仕舞うんだから、ありがたく、忝けないんですね。」と語るように女人に菩薩の姿を重ね合わせ度々描きます。冬の展示では、ムナカタのルーツや、棟方が描く女人像の変遷をたどります。