新潟に生まれた長沢明は、東京藝術大学大学院を修了後、TAMON賞大賞を受賞し渡米。帰国後、横須賀にアトリエを構えました。現在は山形を拠点にし、東北芸術工科大学で教鞭をとりながら旺盛な制作を続けています。一九九四年頃より「祈り」を象徴的に表現したイコンシリーズで活動を本格化させ、一九九七年には五島記念文化賞の美術新人賞を受賞し渡英すると、帰国後は「本」そのものを土で封じこめる「土本」シリーズや、本を粉砕し再構築する「BOOK」シリーズを発表します。二〇〇三年頃からは代表的なモチーフとなるトラを画面に大きく描き、徐々に神格化され、近年はより物語性が強く明るい色彩の絵画へと展開しています。
本展は各時期の代表作や巨大な《マントラ》、インスタレーション、新作を加えてご紹介する、長沢明初の大規模個展となります。