広島県では、平成3年から11年間にわたって,山県郡大朝町・豊平町・千代田町にまたがる吉川氏関連遺跡の発掘調査と周辺地域の試掘調査・文献調査・分布調査などの総合的な調査を実施してきました。戦国時代の領主の勢力範囲を対象に総合的な調査を実施した例は全国的にも少なく、地域社会の構造やそこで育まれてきた土木・建築技術を解明するなど、大きな成果をあげました。今回の展示は,総合調査の研究成果を中心に公開するもので、国人領主・吉川氏の動向や周辺地域を取り巻く社会情勢を明らかにするとともに、山間地に展開した文化と、そこに関わった人々の姿を浮き彫りにしようとするものです。初公開・初出品となる資料も多く、最近の研究成果を反映した内容となっています。