絵本画家として活躍しながら、一家の主婦として家庭を支えたいわさきちひろ。忙しいなかにも、おしゃれを楽しみ、食事にも手をかけ、家族と過ごす居心地のよい住まいをしつらえました。1966年には信州の黒姫高原に山荘を建て、自然のなかに身を置く時間を大切にしていました。衣食住それぞれに工夫を凝らし、日々を愛おしむちひろのくらしぶりは、その絵のなかにも、当時の時代の空気とともに映し出されています。本展では、作品とともに愛用の品々やちひろのことばを紹介し、ていねいなくらしとはなにかを、あらためて見つめ直します。