いつもそこにある自然や、都市の景色も刻一刻と移り変わっています。その移ろいやすさを前に、ただ見とれ、力の及ばなさを思い知ることもあるでしょうか。しかし、はかないと思うより早く、ひたすらに感知し続けることで、そこに見える新たなダイナミズムに気が付くはずです。
「はかなさ」という言葉には「果敢無さ」という字があてられます。挑戦する姿勢を表す「果敢」と、否定である「なさ」。ときに称賛される脆さや繊細さは、少しの変化によって諦めの様子にも取れます。この表裏一体な様子は、敏感さの重要性と人の怠惰を表しているようです。そうした惰性を抱えながら真摯な敏感さに向かうことほど「果敢な」姿勢はありません。
このプログラムを通して、アーティストが発見する「はかない」物事に対する「果敢さ」に寄り添います。彼らと共に果敢になれたなら、はかなさの中にも多様な可能性が見えてくるでしょう。