空想科学小説、空想科学漫画、空想科学映画を通して、作家は未来のビジョンを投げかけ、科学技術はそのビジョンを現実のものとして実現させてきました。 漫画家、手塚治虫(1928~1989)は1951年に「アトム大使」を発表、翌52年には「鉄腕アトム」の連載を開始し、それまでのロボット観とは大きく異なる、人間の良き理解者としての新しいロボット像を切り開きました。1963年には日本初の国産アニメーションとして放映され、海外でも「アストロボーイ」としてテレビ放映されました。 本展は、第1部「ロボット創世記」、第2部「アトム・ビッグバン」、第3部「ロボット新世紀」の三部構成で、日本の約80年にわたるロボットの変遷を振り返り、日本のオリジナル空想ロボット「アトム」がどのように誕生し、そこから様々な波及効果を生み、現在に至ったかをたどります。 近年では、次々とロボットの新製品や発表が相次ぎ、近い将来の「アトム誕生」を夢見させてくれます。先人たちの残した輝かしい創造を振りかえるとともに、21世紀のロボット産業の飛躍を伝え、子どもたちに大きな夢を与えることでしょう。