テクノロジーやマス・メディアが融合する都市を舞台に、抽象美術の産物として現れたポップ・アート。1950年代にイギリスで芽生え、1960年代のアメリカで爆発的な展開をみせた後、ヨーロッパ、日本などで特異に花開きました。 映画や広告、SF小説やポピュラー音楽、漫画などのサブ・カルチャーを熱狂的に支持し、大衆文化に肯定的な態度で接点を求めようとした1960年代のポップ・アートにみられる消費者志向のイメージは、インターネットや携帯電話が普及する高度情報化社会の現代においても制作者と鑑賞者とのコミュニケーションの手段として関係の多様化、複雑化を見せながら、いっそう有効であり続けています。 この展覧会では、1960年代以降、現代までのポップ的指向を持つ作品をピックアップし、その系譜を辿りながら、現代におけるポップについて考察します。