茶道具の絵柄・色・形に注目し、茶人たちの美意識と客人を楽しませるもてなしの器
中国から遣唐使を通じて日本にもたらされた茶は、鎌倉時代に禅宗の隆盛とともに点茶(現在の抹茶)として武家を中心とする権力者たちの間で流行しました。同時に、茶を楽しむための道具も礼儀や格式を重んじて厳選されます。
茶碗や茶入に代表される茶の道具は「唐物」「高麗物」「和物」と産地により大別していますが、いずれの道具も華飾をそぎ落とし自然で簡素なものに見えつつも、深い思想と細かな計算、 工夫と技術を内に秘めているように感じられます。
本展では、茶道具の絵柄・色・形に注目し、茶人たちの美意識と客人を楽しませるもてなしの造形をご紹介します。
また、館を代表する茶道具の名品とともに禅僧や画家による中国絵画と、1994年と2005年に当館で個展を開催した現代水墨画家・李庚氏(北京出身)の作品もお楽しみ下さい。