近年、関心が高まっている陰陽道の歴史を、平安時代に活躍した陰陽師・安倍晴明の実像や伝説、現代の文化現象とあわせて紹介する展覧会を開催いたします。
陰陽道は、古代の中国哲学である陰陽・五行説に基づいて、平安時代に日本で成立しました。宮廷の陰陽寮に属した陰陽師は、星の動きや暦の良しあしで政治の行方を予言したり、貴族の日常生活の場でも吉凶を占ったりしました。最も有名な陰陽師は、平安時代に活躍した安倍晴明(921-1005)です。
展覧会では、晴明の実像を明らかにするとともに、晴明の画像、彫像を一堂に公開するほか、国宝・重要文化財を含む陰陽道の文献、絵画、彫刻などにより、その歴史を始めて本格的に紹介します。あわせて、今日のブームの火付け役となった夢枕獏さんの小説『陰陽師』を取り上げ、村上豊さんの挿絵原画をはじめ、それぞれ小説を原作とする岡野玲子さんの漫画の原画と、映画(野村萬斎さん主演)の衣裳などを展示します。