小林清親(1847-1915)は光を西洋の新しい感覚で捉え、「光線画」と称された様式の風景画を残した絵師として明治に活躍しました。明治9年から14年にかけて制作した後は「光線画」を弟子の井上安治(1864-1889)に譲り、江戸の風情を思わせる懐古的な風景画や風刺画の制作にうつります。その後、清親の最初の門人だった井上安治は「光線画」を引き継ぎ、その担い手として評価を得ました。
本展では、清親の画業を辿るとともに、清親にその才能を期待されながらも夭折した安治の代表作「東京真画名所図解」をご紹介します。