この展覧会は、「さんかくとてん」と言います。さんかくは中辻悦子さん、元永紅子さん、川嶋守彦さん、この三人の点がつながり、線で結ばれた形です。わたしたちは、それぞれにご縁あって、様々な結びの形の中にいることと思いますが、この「△と、」という展は、その一つの見える証のように思います。
中辻悦子さんの作品には、光と影のように、人がつながっています。顔は見えませんが、一人一人の存在の気配が漂い、つながった内と外に生まれた色や形は、わたしたち、あなたたちの間にある色々な関係の空気を問いかけてくれるようです。元永紅子さんの作品は、何かの隙間のような、止まったり動いたりしているような、なんとも何でもないような形に、独自に調合された色が、細い糸の重なりのようになってのせられています。一つ、二つ…とつながった形が並んで、見る人を見つめ返しているようです。川嶋守彦さんの作品は、描いた絵の表面を剥がして、それを組み替えたり、重ねたりして、作られています。ひそんだ手痕と見つめる眼差しのせめぎあいは、どこか心にひっかかり、さりげない風合いはどんな空間にもとけこんでいきそうです。
この三人の点がつながるまたとない展は、ギャラリー島田の B1F un、1F deux、1F troisの3スペースで開催されます。そして、さんかくともう一つ「てん」がありますが、一体どんな「てん」でしょうか。どうぞ頭も心もからっぽにして、「△と、」を楽しんでください。ご来廊を心よりお待ちしております。