横尾忠則(1936年生)は1960年代から今日まで、様々な表現メディアを駆使しながら、常に斬新で刺激的なイメージを創造し続けてきました。既存の枠組みでは捉えきれない領域横断的なその活動は絶えず多くの人々の共感を集め続け、横尾はまぎれもなく同時代の表現者であり続けてきたのです。今回の展覧会では、作者自身が自作と対話しながら、自作の中の重要な幾つかのイメージ展開を分析していきます。ポスターなどのグラフィック、絵画、オブジェなど過去に制作された膨大な数の作品から作者自身が約150点を選び出し、新たに制作される約20点を加えて構成される今回の展覧会は、新しく制作される作品を鍵に、横尾自身が<現在>という視点から自作を再構成する展示空間として提示されます。本展は横尾忠則のイメージ創造の源を探るアトラスになると同時に、作者自身が作品で語る作家論となる予定です。