大川美術館は、日本の近現代美術を中心に収集した初代館長・大川栄二(1924-2008)が築いたコレクション約1,200点を基礎として1989年に開館しました。来年は、開館30周年を迎えます。本年はその序章の年として、一年を通じて大川美術館コレクションをじっくりと見つめなおします。
本展では、収蔵作品約7,300点のなかから「ベストコレクション」として約200点を紹介します。コレクションを特徴づけるのは多くの人の心を促えて離さない松本竣介と野田英夫を中心とした日本の近現代美術です。また海外の作家では、おなじみのパブロ・ピカソ、マックス・エルンスト、ベン・シャーンらの作品を展示します。
住宅の名残をとどめる大川美術館は、小部屋がいくつも連なり階下へ降りてゆくという、個性的な展示室が特徴です。作家同士の影響関係や、各時代の美術の動向、それぞれの画家たちが生きた時代におもいを馳せつつ、おたのしみいただけたら幸いです。各部屋を行き来しながら、大川美術館コレクションのスタンダードをご堪能いただけることでしょう。この夏、水道山中腹の大川美術館で絵画鑑賞のひとときをお過ごし下さい。