朝鮮半島全域を統一した最初の王朝、高麗(九一八~一三九二)は、仏教を国の支柱と定めました。そして高麗国は、周辺諸国との度重なる戦いや交流により、類いまれなる仏教文化をはぐくんでゆきました。「高麗仏画 ― 香りたつ装飾美―」展は、十一~十四世紀の高麗仏画の名品を一堂にご覧いただく、東京で初めて開催する展覧会です。
威厳に満ちた阿弥陀如来像、このうえなく優美な水月観音像、堂々たる姿の地蔵菩薩像、そして金銀で加飾された写経や仏具など、三十八件の絵画・工芸作品をとおして、日本の仏教絵画とは趣きの異なる、隣国に花開いた静粛なる美の世界をご堪能ください。