西洋における自立的な風景画は17世紀に生み出されましたが、産業革命や市民革命を経験し近代市民社会が成立した18世紀から19世紀のイギリスでは、風景画はとりわけ大きな発展を見せました。ジョン・コンスタブル(1776-1837年)は故郷の豊かな風景を、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851年)は光と色彩に溢れた自然を描きました。伝統的な風景画が刷新され、ここに西洋風景画の頂点が築かれたのです。本展覧会はコンスタブルやターナーのみならず、ジョン・セル・コットマン(1782-1842年)、ジョン・マーティン(1789-1854年)、サミュエル・パーマー(1805-1881年)などの画家たちにも焦点をあて、油彩画、水彩画、素描、版画の作品により、近代イギリス風景画の流れをたどります。この機会に繊細かつ気品に満ちた近代イギリス風景画の魅力をご堪能ください。