美術と音楽がそれぞれの分野にインスピレーションを与え合う密接な関係は、これまでの芸術の長い歴史の中でもしばしば見られたことです。ドビュッシーの音楽が印象主義と呼ばれるのは、同時代の絵画のように色彩感に溢れていたからですし、ムソルグスキーの名曲「展覧会の絵」は展覧会で見た水彩画の印象から生まれています。一方、抽象画の生みの親カンディンスキーは、音楽などさまざまな感覚を呼び起こす総合芸術を目指し、同じく抽象画家でヴァイオリニストでもあったクレーは、音楽を記号的な正確さでイメージ化しようとしました。
ミュージアムロード各館の絵画作品に散りばめられたさまざまなリズムやメロディー、ハーモニー、そして線やいろ、かたちが織りなすシンフォニー。絵画と音楽のデュエットが奏でる豊かなイマージュの世界へと想像の翼を広げてみませんか。
◆木田金次郎美術館のテーマは「色彩のコーラス」
様々な「色」が画面に踊る絵を見ると、私たちの気持ちもワクワクしてきます。岩内で描き続けた木田金次郎は、屋外の自然や身近な花や果物を描くときに、色で対象を表現しようとした「カラリスト」でした。同じく後志で育った作家たち、そしてピカソはどんな色を使っているのでしょう―? 色彩が織りなすコーラスをおたのしみください。