芹沢銈介は、デザインの領域に豊かな足跡を残しましたが、中でもよく知られたものに本の装幀、ブック・デザインがあります。昭和6(1931)年、雑誌「工芸」の装幀を手掛けたのを皮切りに、最晩年まで途切れることなく、様々な本を500冊以上デザインしました。本体やカバーだけでなく、箱や扉、カットに至るまで手がけたものが多く、本の隅々にまで神経が行き届いています。あざやかな色彩と模様、さまざまな技法や素材、考えぬかれた構成など、芹沢の才能がいかんなく発揮されています。
本展では、芹沢の装幀本200冊を一挙公開いたします。心ゆくまでお楽しみください。