「和紙」という用語は、明治時代に西洋から輸入されたパルプを原料とする紙「洋紙」に対して用いられ始めました。江戸時代までの日本では、伝統的な手法により各地域で紙が生産されていましたが、洋紙に比べると生産効率が劣っていたため、明治になり紙産業は危機的状況となりました。高知県出身の吉井源太 (よしい げんた) は、紙の生産効率の向上、インクのにじまない和紙、タイプライター用原紙の開発などの技術改良を行い、日本各地へのその技術普及を行いました。
本特別陳列では、江戸時代までの日本の紙が明治時代に吉井源太の手で技術改良され「近代和紙」に生まれ変わったその道のりを、江戸時代以前の品や関連資料とともに紹介します。