今年は、日本がベルギーと外交関係を樹立してから150周年になります。オランダ、ドイツ、フランスなどヨーロッパの大国と国境を接するベルギーは、「ヨーロッパの十字路」と呼ばれ、古来多様な文化の影響を受けてきました。こうした状況のもと、ベルギーの近代美術はフランスの影響下にありながらも、独自の展開をたどります。
本展では、クールベに影響を受けたレアリスム、熱狂的にスーラを受容した印象派から、クノップフらを輩出した象徴派、重厚で激しいアンソールに代表される表現主義、そしてこれらの美術の流れを継承しながら、フランスとは異なる展開を見せたデルヴォーとマグリットによるシュルレアリスムまでの流れを、姫路市立美術館のベルギー美術コレクションを中心に、日本国内の美術館の所蔵品による約70点でたどります。