1970年代より発表をはじめた山本富章は、日本国内での発表に留まらず、海外においても数多くの展覧会に参会してきました。今年の4月にベルリンのAIGで開催された個展は、現地でも高い評価を得ています。山本はこの十数年の間、飛沫のように飛び散った色彩で覆われた厚みのあるパネルやレリーフ上の箱型立体を幾つも組み合せて、展示空間全体を作品とするインスタレーションを制作してきました。強い色彩のコントラストや形態からの連想が相乗して生まれるイメージが、展示空間を日常とは隔絶した空間を表出させています。西洋の美術には見られない、かついわゆる“日本的”ではない、強烈でまた極めて個性的な山本のインスタレーションを是非ご高覧ください。本展では、最新作を中心に近作を含めた約10点を展覧いたします。