1944年に三重県に生まれた山中總は、神奈川県立横須賀高校を卒業し、1971年に東京藝術大学日本画専攻を卒業します。1986年からは創画会に参加し、最期の年に至るまで作品を発表し続けました。
山中總の作品は、日本画でありながらも、色を塗り重ねる筆致やモチーフの選択ゆえか、洋画の雰囲気を漂わせています。それぞれの魅力を独自に融合させた作品とも言えるでしょう。また、幾重にも重なる多彩な光と色彩の中に、人や翼の像が浮かび上がり、まるで記憶の中のイメージが画面に投影されているかのようです。
本展では、当館の所蔵品を含め、新しい日本画の表現を試みた山中總の作品約10点をご紹介いたします。やわらかく、鮮やかな光に満ちた世界をご覧ください。