人物を描いた絵画は、動物や植物、風景を描いた絵画とならび、よく親しまれた主題の一つで、特に女性を描いた作品は洋の東西を問わず、とりわけ多くの人々に愛好されました。昨年度は新収蔵品として4点の作品が当館のコレクションに加わりましたが、そのうちの3点が人物画で、いずれの作品にも女性が描かれています。
昨年度の新収蔵品を展示するこのたびの館蔵品展では「美と装(よそお)い」をテーマに、美人画や女性像などの人物画を中心とした日本画や油彩画他約50点を紹介します。寺島紫明の美人画《冬靄(ふゆもや)》、中西勝の人物画《大地の中の母子》などの新収蔵品と、上村松園《秋の粧》、伊東深水《吹雪》、梅原龍三郎《姑娘紅楼》、ギュスターヴ・クールべ《眠る草刈り女》などを展示いたします。
また同時開催として、横山大観《若葉》、菱田春草《秋林遊鹿》、前田青邨《牡丹》、西村五雲《冬暖》など、当館で所蔵する近代日本画の優品を約20点展示します。2016年の新春は、恒例の日本画を中心とした近代絵画のコレクションと、新収蔵品をお楽しみください。