モネ、ルノワール、ゴーギャン、ゴッホ、セザンヌら、日本でもおなじみの巨匠たちが活躍した19世紀最後の四半世紀は、フランス絵画の輝ける時代としてよく知られています。
彼らの作品は今日、近代絵画の古典として世界中で親しまれていますが、当時は閉鎖的な考えのサロンや大衆からの痛烈な批判にさらされました。しかし印象派の芸術家たちが発見した新たな視点とその創作活動は、後の時代の幅広い絵画の展開を促し、20世紀における新たな絵画のあり方を決定づけたのです。
本展では日本各地に所蔵される印象派の巨匠たちの名作を中心に構成し、1860年代から20世紀初頭に至るフランス絵画の流れをたどります。あわせてサロンの代表的作家の作品や世紀末パリに開化した石版画ポスターの代表作、また絵画の展開に大きな影響を与えた初期の写真や世相を写した風刺画なども加え、当時の時代背景を振り返りながら印象派の新しい側面をご紹介いたします。