表現方法の全く異なる3名の若手作家の展覧会です。それぞれ追求するものは、記録媒体の持つ非記録性であったり、異なるリアリティーの追求、あるいはナンセンスの新しい側面等様々ですが、通底するのは禁欲的に削ぎおとしてゆく表現でしょうか。彼らはそれぞれ新たな方法に挑みます。この展覧会のプロセスは彼らを追いこみ、得意技を封じ込めた末の新たな展開を引き出す展覧会と言えるでしょう。80年代にしばしば行われてきた現代美術における「他流試合」とは一線を画すものであり、これまで様々な実験的な試みを行い、発見の「場」を創る冒険を行ってきた双ギャラリーの新たな展開です。
伊藤誠