この秋、当館では、「収蔵作品展 水にとけあう彩り―水彩画の魅力」を開催いたします。
幕末から明治期に日本へ入ってきた水彩画(水絵)は、明治30年代後半から明治末にかけて広く浸透し、展覧会にも多くの作品が出品されるなど、隆盛の時代を迎えます。こうした流れから「日本水彩画会」や「蒼原会」などが結成され、水絵に情熱をもって取り組む作家たちを生み出しました。
水に溶いて描くという手軽さから、水彩画は、美術教育の教材や初心者向けなどとして用いられ、最も親しまれている画材の一つです。その手軽さから、油彩画より低く評価されることもあるようですが、水彩画にも、多様な表現の可能性が秘められています。本展では、「水彩表現の魅力を探る」という視点から、当館が所蔵する風景画を中心に、水彩ならではの多様な世界をご紹介します。