日本には、古くから樹木に関連する豊かな文化があります。過去を振り返ってみますと、建築、工芸、彫刻などのいずれの分野でも素材としての木は重要な位置を占めてきました。もちろん、民俗や信仰の世界あるいは産業の中でも、同様です。
今回の展覧会は、単に木の芸術作品を紹介するのみならず、樹木に関連するさまざまな博物誌を関連させて紹介いたします。例えば、樹木の自然の中での姿や役割、巨木信仰や伝説、利用方法や素材の性質などを紹介し、そうした伝統や特色が美術作品にも生かされていることを知っていただこうとするものです。
会場は、樹木の種類、水楢(ミズナラ)欅(ケヤキ)楠(クス)などの部屋に分かれ、それぞれの部屋で、その木を素材にした作品が展示されます。樹木の文化全体にさまざまな関心を広げていただき、そうした視点も含めて作品を鑑賞いただければと存じます。
最後は、常磐公園内の樹木散策をしてみてはいかがでしょう。芸術と自然に触れる豊かなひとときをお過ごしください。