菊地義彦は二十歳のとき、同郷で独立美術協会会員の画家、狹間二郎(1903-1983)より「一生絵を描き続けるか」と問われた覚悟を胸に、古里・栗原にモチーフを求め、その自然と風土を一途に描き続けています。
本展では季節や時間帯により千変万化する様々な表情の栗駒山、勇壮な伝統芸能・八ツ鹿踊り、栗駒山のブナ林や山王囲遺跡の出土品からイメージした幻想的な作品など独立展、河北美術展の入選作を中心に、手作業農耕文化の姿を後世に伝えるため、近年、特に力を注ぎ来年度の完成を目指しているシリーズ「栗駒山麓稲作の1年」からの作品も併せて展示いたします。
古里・栗原への敬慕が籠められ、躍動感溢れる重厚な筆致と豊かな色彩で描かれた菊地義彦の覚悟の軌跡をどうぞご高覧ください。