本展は、「平城遷都1300年記念入江泰吉賞」で大賞を受賞した久保田秀典氏を取り上げます。久保田氏は受賞から5年が経った今も、ライフワークである「里」をテーマに精力的に作品を撮り続けています。その作品群は一貫して、失われつつある日本の心をとらえたものです。見過ごしてしまうような里山の景観やそこで暮らす人々の営みを通して、平凡ながらも詩情豊かな里風景が詩情表現されています。
今回は、久保田氏が表現する「“ふわり”とした時間」の本質をテーマに、全新作で展示構成します。久保田氏が写し撮る奈良の里の姿から、失ってはいけない日本の心が見えてくることでしょう。