ながい歴史の中で育まれた中華の服飾芸術は、近代より以前は王族や貴族たちの間で熟成し、公私の様々な場面で生活を彩りました。
服飾芸術には人の身体を飾る衣服、アクセサリー、化粧などがふくまれ、もっとも基本的な身体を守ること以外にも、集団や民族などの精神性や、階級や身分を表す、富や権力を示すなど多くの役割を担っており、時代や地域によってじつに多様な展開が見られます。
本展では、山口県と友好協定を締結する山東省の山東博物館が所蔵する、明清時代の服飾品約50点を展示します。第1章では漢民族の支配層が唐時代を理想とし模倣した明時代の厳かな服飾品を、第2章では清時代の華やかさと清らかさを感じさせるアクセサリーを、第3章では清時代の支配層である北方に住む女真族の文化と中原の文化が混ざり合った、多様な時代性を垣間みることのできる衣服を展示し、中華の服飾芸術の魅力を紹介します。