一般に10号(53×45cm)に満たない小さな作品は、個人の所蔵のために描かれたか、もしくは画家が他人の手に渡ることを考慮せずに密やかな戯れや実験として制作した作品であると考えられる。
美術館の収蔵庫には、そのような小さな作品たちがあまり展示室に並べられることもなく出番を待っており、本展では、画家のアトリエから見出され美術館にもたらされたこれらの作品に、あらためて光を当てる。
今回の小品展では、油彩であっても、スケッチのような気軽さで制作された作品が集められており、家族の肖像や画家が暮らした環境が親密感をもって描かれている。
青柳喜兵衛、今西中通、片多徳郎、古賀春江、野口弥太郎など約20点を紹介。