小鉢の作品は人体の美しさとはなにかを問いかけてくる。
それは均整のとれたヴィーナスのような身体のバランスなのか、
それとも少し張った肘なのか、歪んでいるが豊かな唇なのか、強靭な脛なのか、それら個々の美しさの集合体が小鉢の作品のように思う。
樹の元々の形を良く観察しながら独自の造形世界へと繋げていく。
美しさの為のデフォルメは彫刻作品でありながら、まるで絵画表現の様に違和感なく行われる。
決してグロテスクさを求めアクロバットティックな形を作ろうとしているのではなく、限りなく美しい人体を求めている。