自分を投影した潜水艦、日常の中で目にする犬、樹木、皿、夜の闇が印象的なバンコクのシリーズ、そしてポートレイト。常に主題と真摯に向き合う小林孝亘の作品からは、一貫して深い精神性と普遍的な存在感が、静かに力強く伝わってきます。
小林孝亘は、愛知県立芸術大学卒業後、文化庁の芸術家在外研修員としてバンコクに滞在し、現在は逗子を拠点にしながら油絵の制作を続けています。具象絵画に新風を吹き込む作家として注目を集め、1996年にVOCA展で奨励賞を受賞し、現在まで精力的に活動をしています。
本展では、変化し続ける小林孝亘の新作、そして代表作に加えデッサン、版画など約110点を展示いたします。また、彼が撮影した多くの写真や、資料もあわせてご紹介し、作品の秘密に迫る、10年ぶりの大規模な個展となります。