長い雨が漸く止んだので、朝から散歩に出る。三丁目の狭い路地を抜けると、広さが30メートル四方はあろうか、空き地がある。暫く人の手が加わってない草木茫々の荒れ地だ。荒れてはいるが、そこを通る時の自分自身の気分によってその印象は、ずいぶん違う、それに四季の変化が加わると、尚一層それは大きい。春は、桜、菜の花、蒲公英、躑躅、～夏は、紫陽花、向日葵、百合等の草花に癒され、～秋は秋で、金色に枯れゆく様も捨てがたく、～冬は、枯れ果てても、そこに白い雪が降り積もったりして美しい。都会の真ん中に放っておかれながら人を和ませ飽きさせない、自然の不思議さや魅力に只感心させられるばかりだ。何れ、ここにも人の手が加わり、とてもつまらなく変わってしまうのだろう。人間て、なんだ? そう思ってしまう。
そうしていると、ガサッ、近くで音! 薮の中、水溜りで烏が朝飯中のようだ。
邪魔にならぬよう、とっとと帰ろう。静かに
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