人間の想像力は、たくさんの怪しいイメージを生み出してきました。恐ろしいけれど、どこか滑稽な姿は、私たちの好奇心を満足させるだけでなく、ときに人間や社会の中に潜む怪物をも映し出します。本展ではジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージの描いた古代ローマの装飾に息づく空想の動物や、人間の怪物性を巧みにあらわしたフランシスコ・デ・ゴヤ、説明し難い怪しさをたたえたマックス・エルンストの作品など、約180点の版画の中にうごめくモンスターたちをご紹介します。異形の姿によって様々なメッセージを伝える浜田知明 (はまだちめい)、相笠昌義 (あいがさまさよし) ら、日本の現代作家による作品もあわせてご観覧ください。