通常、ある作品が作られるまでには、様々な試行錯誤の末、その一つの結果としてある形が選ばれ、制作される。私たちが展示室で見ているのは、試行錯誤の結果としての作品のみ、いわば作家によって「OK」を出されたもののみということになる。しかし、「NG」とされた作品を見ることも、何をNGとするか、なぜNGなのか、逆に、何をOKとするか、なぜOKなのかを知ることにつながる点で、非常に重要である。
本展では、所蔵品である豊福知徳「漂流'77」と若林奮「作品No.2」の彫刻作品2点をもとに、二人の彫刻家がそれぞれどのようなことを考えながら彫刻作品の形を決めていったのか、「OK」と「NG」両方の幅広い視点から、制作活動のヒミツを探る。