本年は、日本画壇の重鎮として知られた平山郁夫画伯(1930-2009)の没後5年になります。画伯は、自らの被爆体験に基づき、仏教への深い思いと平和への切実な祈りを込めて、独自の画境を切りひらき、仏教への関心から、日本文化の源流を求めてシルクロードを訪ね、壮大な作品の数々を生み出しました。また、世界の文化遺産保護活動に精力的に取り組んだことでも知られています。
本展覧会では、シルクロードや故郷の瀬戸内をテーマにした本画12点と、各地の文化遺産を取材した水彩、素描、故郷の風景や生い立ちを描いた素描など約70点を展示し、60年余におよぶ画業と活動を紹介します。作品を通じて、平山郁夫の文化遺産の保護活動、平和への祈りなどを振り返り、その功績を顕彰し、平山郁夫の思いを次世代へ継承します。