今回の企画展では、唐時代から清時代に至るまでの中国の工芸品をご覧いただきます。
中国は、世界で最も古い文明の一つである「中国文明」の発祥の地であり、古くから様々な目的を持った工芸品が作られてきました。主に墳墓に副葬品として埋葬するために作られた唐三彩は、緑・茶・藍の豊かな色彩と、動物などの俑や異国趣味を感じさせる器の造形により、見るものを引付けてやみません。
中国の工芸品は時代を問わず、様々な地域に輸出されていました。なかでも宋・元・明時代に作られ、日本にもたらされた各種の天目茶碗や青磁・白磁、堆朱などの漆工品は、室町時代から茶の湯の世界においては「唐物」として賞玩され、珍重されました。本展では三井家伝来の「油滴天目茶碗」をはじめとする天目茶碗や、最高峰の青磁を焼成したことで知られる龍泉窯の「青磁琮 (そう) 形花生」など、この時代の代表的な作品を展示いたします。またヨーロッパに東洋趣味のブームを巻き起こした明・清時代の景徳鎮窯の磁器や、清時代に隆盛を極めた乾隆ガラス、中国工芸のルーツともいえる古代中国の青銅器も展示します。
世界を魅了した、色彩豊かで華やかな中国工芸の粋をお楽しみください。