美濃加茂市民ミュージアムでは、周囲に広がる敷地内の森の中にいくつものギャラリーを開くというコンセプトで、主に東海地方を活動拠点とする作家たちが壁も天井もない自然空間の中で表現に取り組む「文化の森ギャラリー/Wood Land Gallery」を5年間、開催してきました。
日常的に制作している作品を持ち込む参加者もいれば、森の素材を使用した作品作りや、環境を生かしたインスタレーションの発表に取り組む作家もいます。あるいは、数日前から当館のアトリエ棟に宿泊しての滞在制作や、パフォーマンスやワークショップを行うこともできます。
作家たちは自主的に声を掛け合い、参加者を募ります。自然を相手に「遊び」を楽しむことができる、しなやかで鋭敏な感性を持つ作家たちが集まりました。参加者は年々増え、昨年は80人に上りました。今年、改めてこの5年を振り返り、より多くの作家たちが参加できる自由な表現の場として発展していけるようにと願いを込めて、「美濃加茂Annual」として再スタートすることを決めました。
会期中、森は展覧会場であると同時に「実験」の場にもなります。日常生活とは異なる自然環境と向き合い時間を過ごすことで、作家たちが新しい表現に目覚める契機にもなっています。美濃加茂Annualは、凝り固まることのない自由な発想で、刻々と展示が変化していくライブ感を大切にします。
来場者は豊かな自然を感じながら、作品を探して森を巡ります。ゆったりとした時間の中に身を置いて、自分の五感を頼りに発見することで、現代アートをより身近に体感できるでしょう。そして来館者と作家との積極的な対話が生まれ、作家同士の交流の場となり、その輪が広がっていくことを願っています。
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