タイトル等
小林 孝亘
―夢みる2秒前―
会場
西村画廊
会期
2013-09-17~2013-12-19
概要
西村画廊では、2013年9月17日(火)より10月19日(土)まで、小林孝亘の約3年振りの新作展「夢みる2秒前」を開催いたします。

小林孝亘は1960年東京日本橋に生まれ、1986年に愛知県立芸術大学を卒業しました。80年代から90年代前半にかけて、自己防衛の手段として外界との関係を断つ自身の姿を投影した潜水艦をモチーフに、大胆な筆触と重厚な絵の具使いで画面を構築する作品を制作。その後1995年の展覧会「絵画考’95」(水戸芸術館)において、木漏れ日に包まれる公園の水飲み場や犬を描いた作品を発表して高い評価を得ました。1996年にはVOCA展で奨励賞を受賞、当画廊での初個展もこの年に行いました。1999年から2012年までは、東京とバンコクを行き来しながらの制作を続け、タイでの日常生活から食器や車のテールランプなどの題材を見いだし、それと同時に光を巧みに用いた独自のスタイルを確立しました。その後は、眠る人を描いた「Small Death-小さな死」や日光浴をする人を描いた「Sunbather」のシリーズなど、人物を新たなモチーフに選ぶことで更なる展開を見せます。2004年には目黒区美術館で個展「小林孝亘―終わらない夏」を開催、また2006年の当画廊での個展では、人物の顔をクローズアップで描いた「Portrait」のシリーズを発表しました。近年では森の中で変遷する光や人物、物をドラマチックに描き、その評価は一層高まっています。

今回の個展では、1枚の絵から物語性が読み取れる要素の強いものと、従来のように光を取り込んで普遍的なものを表現しようとした作品とを組み合わせた構成で、朝日が柔らかく射し込む森を描いた500号(197 x 333 cm)の大作をはじめとした油彩5点とドローイング約10点の最新作を発表します。
小林はこれまで、意識的に物語性を排除し、描く対象がなるべく普遍的なイメージに近づくことを心がけて作品を制作してきましたが、2011年頃から身の回りで続けざまに起こった初めて経験する出来事によって、浮き足立つような感覚が付き纏うようになり、ふと「物語」という言葉が浮かんできた、と言います。物語といっても断片的なもので、起承転結があるわけではなく、たとえば今回の新作で鳥に連れられていく人を描いたものがありますが、それは小林の中に生まれたイメージをほとんどそのまま描いたものです。つまり、これまでの作品に比べると普遍化を試みていない作品ということになりますが、小林の中で、たとえそれを描くことにより作品の解釈が限定的になってしまうとしても、それは描かずにはいられないもの、受け入れるべきものだと思うようになったのです。
上記の"浮き足立つような感覚"について小林は、「歩いているのに歩いていないような感覚、何かを見ているのに何を見ているのかわからないような感覚、夢の中にいるような感覚」と語っていますが、今展の「夢みる2秒前」というタイトルは、小林が実際に寝るとき、眠りに入る一歩手前のある一瞬に、覚醒しているのに現実ではない風景が見えてきて、その覚めているのか眠っているのか定かでない状態が、物語という言葉が浮かんできたときの感覚に似ていると思ったということからきています。

新たな境地を見せる小林孝亘の新作展に、どうぞご期待ください。
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2013/kobayashi.html
会場住所
〒103-0027
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3F
交通案内
東京メトロ銀座線 日本橋駅 B1出口より徒歩2分
東京メトロ東西線 日本橋駅 C4出口より徒歩2分
都営浅草線 日本橋駅 D3出口より徒歩2分
JR東京駅 八重洲北口より徒歩8分
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/index.html
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3F
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