加山又造(1927-2004) は、京都西陣の衣装図案家の家に生まれ、幼い頃から絵の才能を発揮しました。
東京美術学校卒業後は、山本丘人に師事し、戦後まもなく創立された美術団体「創造美術」に、西洋絵画の強い影響を感じさせる動物画を発表して注目されます。その後、東洋の古典に触発された作品を次々生み出し、戦後の日本画壇に新風を吹き込みました。
戦後の日本画家たちは、伝統に根ざしつついかに新しい日本画を創造するか、西洋の近代的な造形思考にも学びながら模索していました。過去に遡れば、明治時代にも東西の文化が出会い、積極的に受容されています。日本画は西洋的なものの見方や表現を自己のものとして取り込み、洋画は、日本的な感性や美意識を表現していく方向へと変化していきました。日本の近代以降の絵画は、洋の東西が出会い、対峙し、受容しあう中で、日本的な表現を獲得したといえます。
本展では、加山又造を中心に、日本画と洋画39件を展示いたします。画家それぞれの絵画表現をご鑑賞ください。