今、世界が注目する日本のアール・ブリュット。
そのエッセンスをここに凝集!
本展は、2010年3月から翌年1月まで、パリ市立アル・サン・ピエール美術館で開催され、12万人もの来場者を魅了した「ART BRUT JAPONAIS (アール・ブリュット・ジャポネ)」展の日本凱旋展覧会です。
「アール・ブリュット」とは、「生 (き) の芸術」を意味する言葉です。
20世紀フランスの画家ジャン・デュビュッフェは、アカデミックな美術教育や教養とは無縁の人々が、発表や評価を当てにしないままに生み出す作品群を、そのように呼びました。
現在ではその意味の外縁は大きく広がり、文化を超えて見る者を深く感動させる造形作品を包括し、理解するために役立つ重要なキーワードとなりました。
強烈な色づかい、大胆にして繊細な描線、文字や身の周りのものへの強いこだわり…
卓抜した技術や流行への追従はそこにはなく、独創的な着想や制作への歓喜があふれています。
そのような作品を前にしたとき、私たちがいかに既成の「美術」概念にとらわれているかに改めて気づかされ、同時に彼らの創作エネルギーに深い感動と驚嘆を覚えずにはいられません。
総勢作家63人・600点を超える作品群が発する力強いエネルギーと豊かな表現は、わたしたちに創造することの原点や楽しさを感じさせてくれることでしょう。