しもだて美術館が平成25年11月に開館10周年を迎えることから、開館10周年記念企画展の第2弾として、「10th展―しもだて美術館コレクションから」を開催します。
筑西市が誇るふたりの文化勲章受章者、本年没後50年を迎える近代陶芸の巨匠陶芸家板谷波山の薄肉彫り文様を施し気品のある色彩の陶芸、画壇では森田富士とも称される富士山や、山形県鶴岡市に伝わる黒川能をライフワークとして描き独特のマチエールで知られ、日本人的油絵を確立した洋画家森田茂を始めとして多くの芸術家を輩出しています。今展ではこのほかに、日展常務理事を務め終生地元を離れることなく全国的に活躍し、中国の古典から学びつつ現代の感覚を取り込んだ独自の書を確立した日本芸術院賞受賞の書家浅香鉄心、漆芸の技法「髹漆 (きゅうしつ)」の重要無形文化財保持者の漆芸家大西勲、ふるさとの大地に生きる農民の姿と風景を彫る木版画家飯野農夫也、第40回安井賞受賞作家で故郷の何気ない風景を水彩画で表現した柳田昭、日展評議員・審査員として現代洋画界を牽引する飯泉俊夫、皮革工芸という新しい分野で文化勲章を受章した大久保婦久子など多彩な作家の収蔵作品からこの10年間を振り返り、これまでに加わったコレクションや公開する機会が少なかった作品を含め、筑西市の文化遺産として、次の世代に守り伝えていかなければならない各分野21人の個性ある作家の表現、技法を楽しんでいただける作品98点をご紹介いたします。
なお、会期中の関連行事として財団法人ポーラ伝統文化振興財団制作の大西勲氏の仕事を紹介した映像や所蔵作家の映像による作家紹介、飯泉俊夫氏、大西勲氏によるギャラリートーク、そして昨年に引き続き夏休みの宿題お助け隊として、小中学生対象の夏休みミニ絵画教室の開催の他、しもだて美術館が開館から現在まで開催した企画展覧会ポスター40点を美術館ロビーにて一斉展示いたします。