1950年代半ばにイギリスで萌芽し、60年代にアメリカで大輪の花を咲かせた「ポップアート」は、文字通り、誰もが理屈抜きに受け入れることができるポピュラーな芸術運動として世界を席巻しました。大量生産・大量消費社会の象徴となったポップアートは、日用品や廃棄物、広告、漫画、有名人の写真といったモチーフを、単純で力強い線と明快な色彩で表現し、聖/俗、美/醜、虚/実、生/死といった普遍的テーマへと観るものをいざなったのです。
本展では、「ポップアートの巨匠」と目された作家たちが手掛けた秀作の数々と、それを継承した今日の作家たちによる表現世界を、あわせて展観いたします。時代や国境を越えた作品同士が奏でるポップなハーモニーを、どうぞご堪能ください。
(春の展覧会で好評を博した、ミランダ ジュライによる大型インスタレーション作品『廊下』の継続展示もごらんいただけます)