現代アジアに生きる民俗芸術や大衆芸術を取り上げる「生活とアート」シリーズの5回目として、中国・黄土高原の切り紙を紹介します。
切り紙は中国では剪紙(ジェンジィ)と呼ばれ、春節や婚礼の飾りなど、暮らしのさまざまな場面を彩ってきました。なかでも、窰洞(ヤオトン/横穴式の土の家)の障子窓に貼られ、ステンドグラスのように美しい光を室内に投げこむ「窓花」は、厳しい自然のなかにあって、ひときわ印象深い切り紙です。そして、こうした豊かな紙の造形を手から手へ、絶えることなく伝えてきたのは、農村で暮らす女性たちでした。
本展では、切り紙や紙の造形だけでなく、それらが生み出された黄土高原の暮らしや生活空間にも焦点を当てることで、より深く人々の暮らしに分け入り、その造形の魅力に迫ります。また、会期中には上映会やトーク、ワークショップなどもおこないます。
この機会にぜひ、窓花の奥深い世界に足を踏み入れてください。