素描は、本来、制作のための準備段階で表れる作品で、デッサンやエスキース(下絵)と呼ばれることもある。
そのため、古典の時代には、絵画そのものも独立した作品として鑑賞されるようになり、それにつれて様々な技法も開発されるようになってきた。
しかし、近代以降では、素描そのものも独立した作品として鑑賞されるようになり、それにつれて様々な技法も開発されるようになってきた。水彩やパステルによる素描なら、線だけでなく、色彩も素描を決定する要素となる。更にそれ以上に、新しい材質感を表現するため、画家たちは独自の試みを始めた。線や色彩、素材、そして表現のあり方を考えることまで、素描は画家の試行の軌跡を確かめるものとして鑑賞することができるようになった。
今回の素描展では、所蔵作品から約25点の様々な技法やスタイルの作品を展示する。
坂本繁二郎、恩地孝四郎、長谷川利行、古賀春江、藤田嗣治など。