パブロ・ピカソ(1881-1973)は、20世紀の美術を大きく変化させました。ピカソの出現とともに、形や色彩が不思議に感じられる作品が現れるようになったのです。
ピカソの『ボラールのための連作集』は、銅版画による100点の連作集です。芸術家や闘牛、ギリシャ神話の怪物などがその主題ですが、いずれも情熱につき動かされながら登場しています。
ジョルジュ・ルオー(1871-1958)は、信仰に生きる画家としての姿勢を強く保持した点が、ピカソとは対照的です。
キリストの物語や、道化師や裁判官を表現し、人生の暗い雰囲気をにじませながらつづられる約80点の画面からは、生きることの辛さと真実の力強さが伝わってきます。